始めてますか?犬に必須のあの薬~5つのポイントを添えて~ | 佐賀県鳥栖市の動物病院は「ときわ動物病院」

佐賀県鳥栖市 ときわ動物病院

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始めてますか?犬に必須のあの薬~5つのポイントを添えて~

始めてますか?犬に必須のあの薬~5つのポイントを添えて~

お役立ち情報

常盤祐希

監修者:常盤 祐希

  • ときわ動物病院 医院長
  • 所属:佐賀県獣医師会、動物臨床医学会、臨床五月会

現代医学では完治できない疾患であっても、うまく病気と付き合っていけるように東洋医学やアロマテラピー、薬膳などを取り入れるなど医療の幅を拡げることで動物達が、家族みんながよりよい生活を送るお手伝いをさせていただきたい。
人と動物が共に充実して生きていける優しい世界を一緒に創っていきましょう。

最近はとみに暖かくなってきましたね、5月!この時期は犬を飼っている方なら必ず知っておいて欲しい予防があります。そう、フィラリア症予防です。毎年しっかりされている方、エクセレント!しかし、毎年なんとなくやってるけど実はあまりよく分かってなかった方、噂には聞くけどやったことないんよねって方、そもそも聞いたことない方、これを見た機会にぜひ知っておいて欲しい。とんでもなく怖い病気のひとつを自らの手で防ぐことができるのだから。

フィラリア症について知ろう

フィラリアとは犬糸状虫という寄生虫です。蚊が持っているこの小さな虫が、刺された時に犬の体に入ってしまうと体内で成長します。そして大きくなった成虫が血管や心臓で詰まって起こる病気がフィラリア症です。

主な症状はお腹に水が溜まって呼吸が苦しくなったり、心臓に負担がかかるので元気や食欲がなくなったり、血尿や咳がでたり、血を吐いたりといった最悪の場合には死に至るような病気です。つまり、犬にとっても飼主にとっても発症するととても辛い思いをすることになります。

たとえ外に出ない室内犬であっても、蚊に刺される可能性が0ではないので必ず蚊の出る時期は予防が必要です。九州では5月~12月までの8ヶ月間が予防期間ですので、毎年忘れずに行いましょう。

 

まずは血液検査をしておこう

フィラリア予防の実施前には血液検査が必要になります。というのも、もしフィラリアに感染した子が予防薬を投与されると、その薬で死んだ成虫が心臓に詰まることでショック症状を起こしたり急性心不全を起こしたりする可能性があります。

そこで生後三か月以降で初めてフィラリア予防をする子や、去年の予防を十分にされてなかった子は必ず感染していないことを確かめてから予防薬の投与を始めてください。ちなみに検査は一般的にほんの数滴の血を採って10分くらいで結果が分かります。

 

自分ちの子にあった薬を選ぼう

感染していないことが確認できたらいよいよ薬の投与です。予防方法は注射、背中につけるスポットタイプ、飲み薬の3種類があります。

どの方法でもフィラリア症の予防効果はほとんど変わりありません。ちなみにノミやマダニも一緒に駆除できるオールインワンタイプの飲み薬が人気です。マダニと蚊は活発に活動する時期がかぶるので、同時に予防できるのがベストですね。

薬を飲ませられない子はスポットタイプ、投薬を忘れそうなら1年間効く注射を選択するのもアリです。病院によっては扱ってないものもありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。ちなみに当院では飲み薬のみの取扱いになります。というのも、できれば毎月忘れずに習慣化していただきたいのと、健康チェックも兼ねていることが理由です。

 

しっかり投与しよう

薬を決めたら、あとは期間中忘れずにしっかりと投与することです。特に飲み薬は1カ月間ずっと効いているわけではありません。1カ月の間に入ったかもしれない小さな虫を定期的に駆虫することでフィラリア症を予防します。もちろん注射やスポットタイプも予防期間がカバーできているかが重要です。つまりどういうことかというと、飲み忘れがあったりその年最後の投薬をしていなかったりすると、駆除しきれなかった虫がフィラリア症を引き起こしてしまう可能性があるのです。感染してしまうと、今までの予防も意味がないので絶対に忘れないようにしましょう。絶対にです。

 

 

もしフィラリア症になってしまったら

検査で陽性反応が出たからといってすぐに症状が出るとは限りません。ただし今後可能性はあるので、日常生活で症状が出ないか注意して頂くことが大切です。症状がなくてもそれ以上虫を増やさないために通年の治療や予防が必要になります。ぜひお近くの動物病院に相談ください。

上記のような症状が出たら治療が必要になりますが、その治療には危険や負担が伴います。すなわち投薬で成虫を駆除することでかかる血管の負担や、心臓から虫を除去する手術のリスクなど。確実な治療法がないため、経過がよかったとしても長期に渡る対症療法が必要です。

そうならないためにも、この病気は予防が何より重要なのです。

 

 

まとめ

フィラリア症は感染経路や予防方法が分かっている病気です。よって昔は多かったが今はほとんどいないと言われていますが、地域によっては今も普通に見かける病気です。予防をしていない人のほとんどが、フィラリアそのものを知らなかったり予防の重要性を認識していなかったりするのが原因と思われます。

蚊を防ぐことは現実的でなくても、薬で病気が防げるのであればやっておくべきです。しかも最近の飲み薬はやたら美味しく作られているのです。おやつ感覚で病気の予防!素敵やん!

さらにフィラリアは寄生虫です。フィラリアを持っている犬の血を吸った蚊が別の犬に感染させてしまう。つまり感染しないことがフィラリアを減らすことに繋がります。少しでもフィラリアで苦しむ子を減らすため、近所の方や友人にも教えてあげましょう。フィラリア予防しなきゃダメ、絶対!