プチ食養生のすすめ -おいでませ梅雨編- | 佐賀県鳥栖市の動物病院は「ときわ動物病院」

佐賀県鳥栖市 ときわ動物病院

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プチ食養生のすすめ -おいでませ梅雨編-

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お役立ち情報

常盤祐希

監修者:常盤 祐希

  • ときわ動物病院 医院長
  • 所属:佐賀県獣医師会、動物臨床医学会、臨床五月会

現代医学では完治できない疾患であっても、うまく病気と付き合っていけるように東洋医学やアロマテラピー、薬膳などを取り入れるなど医療の幅を拡げることで動物達が、家族みんながよりよい生活を送るお手伝いをさせていただきたい。
人と動物が共に充実して生きていける優しい世界を一緒に創っていきましょう。

入りましたね、梅雨。とはいえ雨降らなかったり、かと思えば豪雨が続いたり。この時期体調を崩される子も多いのでは?梅雨は「脾」の季節。東洋医学では「脾」は脾臓ではなく消化吸収や体液平衡を司る機能全般を指します。つまり脾が不調になると消化機能や水分代謝が落ちます。するとお腹を壊しやすくなったり、むくんだり。実は脾は湿気で悪化しやすいので梅雨時期が一番要注意。今回は湿気に負けない体作りと脾の改善に役立つ食材を紹介します。

おくら                       

夏のネバネバスター、おくら!食物繊維であるペクチンのネバネバ成分が胃腸の粘膜に潤いを与えてくれます。これにより消化吸収が良くなり整腸作用によりお通じも促進するという胃腸の守護星。血の巡りも活発化し、しかも夏に失われがちなカルシウムや鉄分などのミネラルやビタミンも豊富に含む。つまり疲労回復や滋養強壮、さらには動脈硬化予防や糖尿病予防にも効果を発揮する優れモノ。

気滞や瘀血体質の子に合いますが、もともと胃腸の弱い気血両虚や陽虚の子は控えめに。

 

へたの部分に栄養は多いのですが、苦いので使うかどうかはよく考えて。うぶ毛をとるにはネットに入れたまま擦り合わせて水洗いすると簡単。塩もみでもいいけど塩分が気になるのでネット擦り一択!アフリカ原産なのに熱や乾燥に弱いので、保存は湿度を保った冷所で。おくら、おいしい!

 

 

もやし                       

夕方遅くなったら売り切れてる選手権の優勝候補、もやし!体を冷やして熱を取り除きつつ余分にたまった水分も排出してくれます。利尿作用が強いので陽熱、痰湿体質の子に最適。ただし冷え性になりやすい陰虚、陽虚、気血両虚の子は食べすぎ注意。

喉の渇きを鎮めてくれてむくみの改善にも優れる。しかもコレステロールを下げて高脂血症も予防するという、細い体に確かなパワー!なのにコスパ最強とか、もやしさんマジイケメン。

 

傷みやすいので長期保存せず早めに消費しましょう。ちなみに春雨も同じ効果があります。ただしもやしの薬効は皮に多く含まれるので、豆付き皮付きを選ぶのがベスト。つまり皮を除いてデンプンだけ使った春雨は薬効があまり高くありません。食べすぎると冷えてお腹が張ってしまうのも注意です。もやし、おいしい!

 

 

とうもろこし                 

夏といえばトトロ、トトロと言えば甘すぎるイネ科植物、とうもろこし!気を補って脾と胃を整えることで胃腸の働きを強めます。痰湿、湿熱体質の子や不足した気を補って血行を良くするので陽熱、気滞、瘀血体質の子に向いています。ただし食物繊維が粗いので胃腸の弱い気血両虚の子はほどほどに。

実の部分は不飽和脂肪酸であるリノール酸を多く含むのでコレステロールを減らし血の流れを良くしてくれます。ビタミンやアミノ酸も豊富ですが、必須アミノ酸のトリプトファンとリジンが足りないので大豆やお肉も一緒に摂りましょう。

 

実の部分は焼いて粒のまま食べることが多いと思いますが、それだと吸収が悪いです。芯の部分も余分な水分を取り除いて胃腸を丈夫にしてくれるので、煮出して使いましょう。ただし犬は誤飲することが多いので要注意です。とうもろこしのひげは「南蛮毛」ともいい、利尿や血圧降下、胆汁酸排泄促進作用のほか糖尿病にもよいという優れた毛。煮汁を飲み水に混ぜるか、乾煎りすると香ばしくて食べやすい凄い毛です。とうもろこしは収穫とともに風味がドンドン落ちるので保存するときは茹でてラップに包んで冷蔵しましょう。とうもろこし、おいしい!

 

 

やまいも                   

夏といえばトトロ、トロロと言えばやまいも!ご存じ疲労回復や滋養強壮に優れるのは、脾肺腎の気血水を補ってくれるから。消化を助け芋の中でも気(エネルギー)を補う作用が強く、腎に働いて肌を潤したり生殖機能を強化したり老化防止にも効果的。

体を潤すので気血両虚や陰虚体質の子に向きます。しかし余分な水分が体にとどまりやすいので痰湿体質の子は控えめにすること。

コリンやサポニンを含むのでコレステロールから血管を守り動脈硬化を予防し、利尿効果のあるカリウムで水分代謝を促して腎機能を高めます。実は、やまいも自体「山薬(さんやく)」という生薬で漢方でも用いられています。

 

芋の中でも唯一生食できる食材、とろろ。生で食べることで痒みが出る場合、加熱して食べると和らぎます。澱粉の消化吸収を高める酵素は、加熱すると失われるのでその点が注意。ねばねば成分には血糖降下作用もあり、胃腸も保護してくれるので力つけたいならまずはコレ。やまいも、おいしい!

 

 

黒きくらげ                   

私のイチオシ食材、またまた登場の黒きくらげ!食養生といえばこの輸血剤。暑くなったら黒きくらげ。ケガしたら黒きくらげ。年とったなぁと思ったら黒きくらげ。血小板の凝集を抑えて中性脂肪を分解することで血液をサラサラにしてくれる陰の実力者。陰虚、血虚、瘀血、気滞体質の子に合います。なんとなく入れるだけの存在じゃないんです。ちなみに効果の違う白きくらげも紹介はまだ先です。

 

生のきくらげは必ず加熱すること。乾燥きくらげはお湯で戻すと栄養成分が壊れてしまうので必ず冷水で戻すこと。消化しにくいので細かく刻むか煮込むこと。この3つさえ気をつければ怖いものなし。黒という尖った彩りを添える際にもぜひボナペティ!黒きくらげ、おいしい!

 

 

 

まとめ

湿気により食べ物も傷みやすく、冷房を使い始めることでお腹を壊しやすくなる梅雨時期。脾の強化とともに体質に合わせたおすすめな食材を少し紹介してみました。もちろん人の食生活にもばっちり応用できます。体質が分からないというアナタ!院内で配布している、プチ診断ツールを使えば簡単に体質診断できちゃう。受付で「体質診断のヤツください」って言った人第一号になろう。今なら早い者勝ちです。

 

さぁ、今日からアナタも Let’s プチ食養生!次回もよろしくです!