プチ食養生のすすめ -夏なんだか秋なんだか編 | 佐賀県鳥栖市の動物病院は「ときわ動物病院」

佐賀県鳥栖市 ときわ動物病院

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プチ食養生のすすめ -夏なんだか秋なんだか編

プチ食養生のすすめ -夏なんだか秋なんだか編

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常盤祐希

監修者:常盤 祐希

  • ときわ動物病院 医院長
  • 所属:佐賀県獣医師会、動物臨床医学会、臨床五月会

現代医学では完治できない疾患であっても、うまく病気と付き合っていけるように東洋医学やアロマテラピー、薬膳などを取り入れるなど医療の幅を拡げることで動物達が、家族みんながよりよい生活を送るお手伝いをさせていただきたい。
人と動物が共に充実して生きていける優しい世界を一緒に創っていきましょう。

9月も終わり運動会も始まっているこの時期、台風も落ち着いたようでやっと涼しくなると思いきやまだまだ夏日がちらほら。夏が終わったはずなのに全然秋っぽくないですよね。こんな時期、動物病院では消化器症状の患者さんが増えてきます。気温の差が大きく不安定で脾を傷めやすい。今回は旬というよりも、この時期に多発するお腹の不調に良い食材を紹介します。消化器症状のお話なので、お食事中の方はブラウザバックをお願いしますね。

くず         

古来より風邪患者を助けてきた日本が誇る怪しい白い粉、葛。葛根湯の原料として有名ですね。血行を促進して冷えや余分な熱をとるので、熱や冷えどちらの下痢にも使えるうえ発熱後の体力回復にも効果的。陰虚や気滞体質の子には向いていますが、気を昇らせて陰を補うのでのぼせやすい陽熱や痰湿体質の子には向いていません。血液をサラサラにして血管拡張作用もあるので高血圧や心疾患がある子にも安心。

お湯で溶いてとろみをつければ、葛湯としてあらゆる食材にあんかけとして使える胃にも優しい優れモノ。練り梅をちょびっと加えると下痢止め・吐き気止め効果アップ。

そんなイケメン葛さんですが、実はアメリカでは繁殖力の高さから駆除対象とされたりしています。

 

市販品の「くず粉」は馬鈴薯デンプンだったりすることもあるので、薬効を期待するなら葛100%の「本くず粉」を選びましょう。葛、おいしい!

 

りんご         

みんな大好き赤い禁断の果実、リンゴ。体を潤し、熱を冷まして気を降ろします。脾の働きも高めるので消化不良はもちろん下痢と便秘どちらにも効果があります。さらに食欲も促して吐き気も抑えるという万能果実。よっ、医者いらず。ただし食べ過ぎるとリンゴ酸などの刺激で胃腸の粘膜を傷つける可能性があるので気虚や血虚、陽虚の子は食べ過ぎないように。陰虚や痰湿、高血圧の陽熱体質の子に向いています。

りんごの皮に多く含まれるペクチンが腸の善玉菌を増やして悪玉菌を減らす。さらに水分を取り込んで優しく便を包み込むので便秘にも良い最強果実。ちなみに軽度な下痢にはすりりんご、慢性的な下痢には乾燥りんごをすり潰してお湯と混ぜたものが効果的。

りんごの皮をむいて放っておくと茶色くなるのは鉄やポリフェノールが酸化したもの。しかもりんごのポリフェノールは水と熱に強いのでどんな調理法でも効果が残る凄い果実。まったくどこまで万能なの、りんご…恐ろしい子!

 

実は0℃前後、湿度85%が保存に最適。食べる時は皮ごと摂りたい食材ですが、残留農薬には注意しましょう。りんご、おいしい!

 

もち米         

見た目そっくりでもうるち米とは効果が違う、もち米。気を補うことで体力の回復にもばっちり。加えて、脾と胃を温めて消化する力を高めるので下痢の改善に役立ちます。胃腸が弱い気虚、血虚や陽虚の子に向いていますが、熱がこもりやすい陽熱、陰虚体質の子は控えめにしましょう。

少し動いただけで疲れやすかったりゼェゼェしたりする子は気の働きが落ちていることが多いです。実はうるち米より気を補う力が強いので、そんな時はもち米で気力アップを図るのがオススメです。

 

うるち米代わりにお粥や雑炊にしてもよし。原料がもち米である餅や白玉粉にも同じ効果が見込めるので、レパートリーも増やしやすいです。もち米、おいしい!

 

レタス         

古来より安眠をもたらすとされていた安らぎ野菜、レタス。五臓に栄養を与えて気の通りを良くし、胃腸の働きを正常化してむくみや便秘も解消します。ほてりを冷ましてこもった熱を取るので陽熱、湿熱体質の子に向きますが、冷えのある陽虚の子は控えましょう。

胃腸の粘膜修復や新陳代謝を促進するビタミンU(キャベジン)も多く含み、胃腸にやさしい。しかも芯の部分に含まれる苦み成分、その名もラクッコピコリンが精神を安定させるのでストレスの軽減にも効果的。

 

調理では加熱しすぎるとビタミンCが減ってしまうので、さっと火を通すか生で摂りましょう。ただし生食は体を冷やすので過食は厳禁。丸ごとカットすると断面から変色しやすいので、使う分だけ手ではがして使いましょう。レタス、おいしい!

 

山芋         

満を持しての再登場、今回は消化器症状と言えばコレ、山芋。中医学で健脾益気(けんぴえっき)という作用があります。つまりこれは胃腸を丈夫にして消化吸収力を高め元気にさせる力。これが山芋パワー。さらにジアスターゼやアミラーゼなどの消化酵素を大根の3倍持っているのも心強い。しかもタンパク質の消化吸収を手伝ってくれる一方で、脂肪や糖分の吸収を抑制してくれるナイスガイ。

気や津液を補うので気虚や血虚、陰虚体質の子に最適ですが、お腹が張りやすい痰湿体質の子は控えめにしましょう。

気を補う力が強いので食欲不振や消化不良、ストレスが多い子の下痢や嘔吐にも効果を発揮します。そのうえ日々の成長を優しく見守ってくれる山芋は成長期の子にもオススメです。

 

少々脆いのが玉にキズですがツボ押しにも使えます。しかもなんといっても生食できるので手間いらず。そもそも加熱すると消化が悪くなるのでそのまま刻むかすりおろすのがおすすめです。山芋、おいしい!

 

 

 

まとめ

季節の変わり目は気温の差も激しく消化管の不調が多くなってきます。東洋医学ではお腹を壊す要因として、大きく「熱性」、「冷性」、「ストレス性」の3つに分かれます。

熱性の下痢は風邪症状や食べ過ぎ・消化不良、急性の腸炎や感染症などから起こります。特徴としては激しく回数の多い下痢をして臭いが強く血や粘液が混じる。さらに比較的体力があり体が熱っぽい子に出やすい傾向があります。こんな時はりんごやトマト、葛、山芋などがおすすめです。

冷性の下痢はお腹が冷えたり消化吸収能力が落ちたりすることで起こります。慢性的な下痢や臭いの薄い漏れ出るような便になることがあります。虚弱体質や脾が弱い子、老齢の子がなりやすい傾向があります。こんな時はもち米や大根、南瓜、葛、山芋などですね。

ストレス性の下痢は、過度なストレスで消化する力が落ちて起こります。これも臭いは強くないですが下痢や便秘を繰り返し不規則になりやすい。これは神経質な子やビビリの子がなりやすい傾向があります。この時はレタスやキャベツ、葛、山芋などがおすすめですね。

どういった不調なのかをよく観察して見極め、食材を選ぶのが食養生。すなわち、お腹を壊したらまずは便をよく観察してみましょう。迷ったら葛、山芋をまずはチョイス。普段食べなれていないものは避けて消化の良いものにトッピングしてみてください。

 

さぁ、今日からあなたもLet’sプチ食養生!次回もよろしくです!